SHIRO、滋賀県、近畿の城 坂本城 「坂本城 湖水に眠る光秀の夢」歴史街道(PHP研究所)巻末連載、城紀行~戦国の風 彼は誰時、琵琶湖に眠る坂本城跡を、遠い湖岸から近江富士(三上山)がみつめている。 謎多き戦国武将、明智光秀。流浪の前半生をへて、織田信長に仕えることにより、早々に頭角を現した。その高い能力と功績により、坂本(滋賀県大津市)の地に城を構える事を信長から許されるのであった。 琵琶湖に聳える坂本城は、安土城に次ぐ壮麗な城といわれ、光秀の輝かしい出世と、信長からの厚い信頼の証であったことは間違いないだろう。その後、天下人になろうとする織田信長を本能寺で謀殺するも、事後処理に失敗し、山崎で羽柴秀吉との決戦に敗れた。坂本城へ敗走途中、人生道半ば最期に彼はこの国の未来をどう思ったのか。 湖水に沈んだ彼の夢を残し、今日も静かに夜が明けるのであった。